研究の背景
国際引っ越しのあと、子どもの反応はさまざまです。
元気になる子もいれば、静かになる子。
怒りっぽくなる子もいれば、一見すると何も変わらないように見える子もいます。
同じように国際移動を経験していても、子どもの反応は一人ひとり異なります。
ただ、ここで大切にしたいのは、
「何も感じていない子はいない」ということです。
たとえ外からは変化が見えなくても、
心の中では、戸惑いや悲しみ、葛藤が動いていることがあります。
その前提を踏まえ、今回は
TCK(Third Culture Kids)を育てる家庭を対象に、
国際引っ越し後の子どもの様子についてミニリサーチを行いました。
調査質問
今回の質問は、次の内容です。
国際引っ越しのあと、お子さんの様子はどうでしたか?
調査対象
海外生活や国際引っ越しを経験した
TCK(Third Culture Kids)家庭の保護者を対象に実施。
回答者数:21名
回答数:24(兄弟別回答を含む)
調査方法
以下の選択肢から回答を得ました。
・よく泣いていた
・怒りっぽくなった
・元気がなかった
・変わらなかった
また、選択肢に当てはまらない場合は、
自由記述で子どもの様子を共有していただきました。
調査結果
・変わらなかった:14
・元気がなかった:4
・よく泣いていた:4
・怒りっぽくなった:2

考察
今回の結果では、「変わらなかった」という回答が最も多く見られました。
一方で、「元気がなかった」「怒りっぽくなった」「よく泣いていた」など、
環境の変化による影響が見られるケースも一定数存在しています。
また、自由記述からは、
外からは分かりにくい「揺れ動く気持ち」があったという声も見られました。
国際引っ越しは、学校・言語・友人関係・生活環境など、
子どもにとって大きな変化を伴います。
そのため、たとえ目立った変化が見えなくても、
内面では何らかの感情が動いている可能性があります。
「変わらなかった」という状態も、
何も起きていないのではなく、
外に出ていないだけかもしれません。
今回の調査は小規模ではありますが、
国際移動を経験する子どもたちの反応の多様さと、
見えにくい内面の動きを捉える視点の大切さが示されました。
次の問い
一見すると変化がないように見える子どもたちも、
実際の家庭ではどのような様子を見せているのでしょうか。
次の記事では、
国際引っ越し後に見られた具体的なケースを紹介します。

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